湿り空気線図 練習問題(作図演習)

空調の資格試験に出る線図問題の形式にならって新しく作った 9 問です。印刷した線図に作図して値を読み、答えを入力して読み取り誤差の範囲内か確かめましょう。解説は手作図の順番どおりです。

すべて標準大気圧(101.325 kPa)、風量は乾き空気の質量流量(kg/h)です。数値を入れて Enter か「採点」を押すと、欄ごとに結果が出ます。解答値はこのサイトの計算エンジン(ASHRAE 式)で計算しています。 問題 5 の体積流量だけ m³/h です。 許容誤差(正解とみなす範囲)

白紙の線図 PDF

12 つの値から状態点を読む

乾球温度と湿球温度を測った空気がある。湿り空気線図で状態点を求め、残りの値を読め。

条件

乾球温度30 °C
湿球温度22 °C

求める値

小数点は点(.)またはコンマ(,)で書き、桁区切りは使わないでください(4924)。

  1. %
  2. g/kg(DA)
  3. kJ/kg(DA)
  4. °C
解説を見る

作図の手順

  1. 下の横軸で乾球温度 30 °C の縦線を探す。
  2. 飽和線(相対湿度 100 %)上で湿球温度 22 °C の点を探し、そこから右下へ伸びる湿球温度線をたどる。エンタルピー線とほぼ平行なので、湿球の目盛か確認する。
  3. 2 本の線の交点が状態点。両側の相対湿度曲線の間を目で分けて 50.0 % を読む。
  4. 状態点から水平に右の目盛まで行き、絶対湿度 13.30 g/kg(DA) を読む。同じ水平線を左の飽和線まで行くと露点温度 18.4 °C。
  5. 三角定規をエンタルピー線に合わせて状態点まで平行移動し、エンタルピー目盛で 64.2 kJ/kg(DA) を読む。

手順の文中の途中値は丸めて書いているため、その数字で計算し直すと末尾の桁が解答値と少し違うことがあります。採点は丸める前の値で行います。

解答値と許容範囲

項目解答値正解とみなす範囲
相対湿度50.0 %±3 ポイント
絶対湿度13.30 g/kg(DA)±0.3 g/kg(DA)
比エンタルピー64.2 kJ/kg(DA)±1.0 kJ/kg(DA)
露点温度18.4 °C±0.5 °C

参考書の解答と違うことがある理由: 参考書の解答は線図の目盛を目で読んだ値なので、末尾の桁が違うことがあります。ここでは ASHRAE 式(Hyland-Wexler の飽和水蒸気圧)で計算しています。

線図で開くこの問題の点と状態変化を描いた状態で計算ツールが開きます。

2断熱混合:外気と還気の混合点

外気 OA と室内からの還気 RA を混ぜて空調機に入れる。混合点 MA の状態を求めよ。

条件

外気 OA乾球 32 °C・相対湿度 65 %
室内(還気)RA乾球 27 °C・相対湿度 50 %
外気量2,500 kg/h(乾き空気)
還気量7,500 kg/h(乾き空気)

求める値

小数点は点(.)またはコンマ(,)で書き、桁区切りは使わないでください(4924)。

  1. °C
  2. g/kg(DA)
  3. kJ/kg(DA)
解説を見る

作図の手順

  1. 外気 OA(32 °C、65 %)と室内 RA(27 °C、50 %)をプロットする。
  2. 2 点を直線で結ぶ。断熱混合点は必ずこの線上にある。
  3. 風量比は OA : RA = 1 : 3。混合点は風量の多い RA 側に寄るので、RA から OA 側へ線の長さの 25 % の位置に MA をとる。
  4. 乾球で確認:(2,500 × 32 + 7,500 × 27)/ 10,000 = 28.25 °C。線図上の距離を風量比で分けるのと同じ計算。
  5. MA から水平に絶対湿度 13.25 g/kg(DA)、エンタルピー線に沿って 62.3 kJ/kg(DA) を読む。エンジンで解いた MA の乾球は 28.26 °C。

手順の文中の途中値は丸めて書いているため、その数字で計算し直すと末尾の桁が解答値と少し違うことがあります。採点は丸める前の値で行います。

解答値と許容範囲

項目解答値正解とみなす範囲
混合点 MA の乾球温度28.3 °C±0.5 °C
混合点 MA の絶対湿度13.25 g/kg(DA)±0.3 g/kg(DA)
混合点 MA の比エンタルピー62.3 kJ/kg(DA)±1.0 kJ/kg(DA)

参考書の解答と違うことがある理由: 参考書では混合温度を温度の加重平均 28.25 °C とすることが多いです。ここではエンタルピーと絶対湿度を質量で平均して解いた 28.26 °C で、差は線図の読み取り誤差より小さいです。

線図で開くこの問題の点と状態変化を描いた状態で計算ツールが開きます。

3加熱(顕熱変化)と加熱量

空気を加熱コイルで温める。コイルは水分を加えも除きもしない。出口状態と加熱量を求めよ。

条件

入口空気乾球 10 °C・相対湿度 70 %
出口乾球温度32 °C
風量4,000 kg/h(乾き空気)

求める値

小数点は点(.)またはコンマ(,)で書き、桁区切りは使わないでください(4924)。

  1. %
  2. kJ/kg(DA)
  3. kW
解説を見る

作図の手順

  1. 入口空気 ①(10 °C、70 %)をプロットする。
  2. 加熱では絶対湿度が変わらないので、① から右へ水平線を引き、乾球 32 °C の縦線との交点を出口 ② とする。
  3. ② の相対湿度 18.1 %、比エンタルピー 45.82 kJ/kg(DA) を読む。① の比エンタルピーは 23.47 kJ/kg(DA)。
  4. 加熱量 = 風量 × エンタルピー差 = 4,000 / 3,600 ×(45.82 − 23.47)= 24.8 kW。

手順の文中の途中値は丸めて書いているため、その数字で計算し直すと末尾の桁が解答値と少し違うことがあります。採点は丸める前の値で行います。

解答値と許容範囲

項目解答値正解とみなす範囲
出口相対湿度18.1 %±3 ポイント
出口比エンタルピー45.8 kJ/kg(DA)±1.0 kJ/kg(DA)
加熱量24.8 kW±2.2 kW(線図の読み取り誤差 比エンタルピー ±1.0 kJ/kg(DA) を反映)

参考書の解答と違うことがある理由: 参考書の略算式 顕熱 = 1.01 × 風量 × 温度差 では 24.7 kW となり、エンタルピー差で計算したここの値 24.8 kW と 0.6 % 違います。略算式は比熱の近似、ここは ASHRAE のエンタルピー式です。

線図で開くこの問題の点と状態変化を描いた状態で計算ツールが開きます。

4冷却除湿:冷却熱量と凝縮水量

冷却コイル入口と出口の空気状態が与えられている。エンタルピーを読み、冷却熱量と凝縮水量を求めよ。

条件

入口空気乾球 28 °C・相対湿度 60 %
出口空気乾球 14 °C・相対湿度 92 %
風量6,000 kg/h(乾き空気)

求める値

小数点は点(.)またはコンマ(,)で書き、桁区切りは使わないでください(4924)。

  1. kJ/kg(DA)
  2. kJ/kg(DA)
  3. kW
  4. kg/h
解説を見る

作図の手順

  1. コイル入口 ①(28 °C、60 %)と出口 ②(14 °C、92 %)をプロットする。
  2. ① と ② を結ぶ。冷却除湿なので線は左下へ下がる(温度と絶対湿度がともに下がる)。
  3. 比エンタルピーは ① 64.55、② 37.23 kJ/kg(DA)、絶対湿度は ① 14.25、② 9.16 g/kg(DA)。
  4. 冷却熱量 = 6,000 / 3,600 ×(64.55 − 37.23)= 45.5 kW。
  5. 凝縮水量 = 6,000 ×(14.25 − 9.16)/ 1,000 = 30.5 kg/h。

手順の文中の途中値は丸めて書いているため、その数字で計算し直すと末尾の桁が解答値と少し違うことがあります。採点は丸める前の値で行います。

解答値と許容範囲

項目解答値正解とみなす範囲
入口比エンタルピー64.5 kJ/kg(DA)±1.0 kJ/kg(DA)
出口比エンタルピー37.2 kJ/kg(DA)±1.0 kJ/kg(DA)
冷却熱量45.5 kW±3.3 kW(線図の読み取り誤差 比エンタルピー ±1.0 kJ/kg(DA) を反映)
凝縮水量30.5 kg/h±3.6 kg/h(線図の読み取り誤差 絶対湿度 ±0.3 g/kg(DA) を反映)

参考書の解答と違うことがある理由: 参考書の解答は線図の目盛を目で読んだ値なので、末尾の桁が違うことがあります。ここでは ASHRAE 式(Hyland-Wexler の飽和水蒸気圧)で計算しています。

線図で開くこの問題の点と状態変化を描いた状態で計算ツールが開きます。

5SHF 線と吹出し温度差から給気点・給気量

室内の顕熱・潜熱負荷と吹出し温度差が与えられている。顕熱比 SHF、給気 SA の絶対湿度、給気量を求めよ。

条件

室内(還気)RA乾球 26 °C・相対湿度 50 %
室内顕熱負荷14 kW
室内潜熱負荷3.5 kW
吹出し温度差10 K

求める値

小数点は点(.)またはコンマ(,)で書き、桁区切りは使わないでください(4924)。

  1.  
  2. g/kg(DA)
  3. kg/h
  4. m³/h
解説を見る

作図の手順

  1. SHF = 顕熱 /(顕熱 + 潜熱)= 14 /(14 + 3.5)= 0.80。
  2. 室内 RA(26 °C、50 %)をプロットする。
  3. 線図の縁の SHF 目盛(分度器)の基準点と 0.80 の目盛を結び、三角定規 2 枚でこの線を RA まで平行移動する。これが室内 SHF 線。
  4. 吹出し温度差が 10 K なので給気の乾球は 26 − 10 = 16 °C。16 °C の縦線と SHF 線の交点が給気 SA で、絶対湿度 9.49 g/kg(DA)、比エンタルピー 40.12 kJ/kg(DA) を読む。
  5. 給気量 = 全熱 × 3,600 /(h_RA − h_SA)= 17.5 × 3,600 /(52.91 − 40.12)= 4,924 kg/h。
  6. 体積流量は SA の比体積 0.8316 m³/kg を掛けて 4,924 × 0.8316 = 4,095 m³/h。

手順の文中の途中値は丸めて書いているため、その数字で計算し直すと末尾の桁が解答値と少し違うことがあります。採点は丸める前の値で行います。

解答値と許容範囲

項目解答値正解とみなす範囲
顕熱比 SHF0.80±0.02
給気 SA の絶対湿度9.49 g/kg(DA)±0.3 g/kg(DA)
給気量(質量)4,924 kg/h±835 kg/h(線図の読み取り誤差 比エンタルピー ±1.0 kJ/kg(DA) を反映)
給気量(体積、SA 状態基準)4,095 m³/h±694 m³/h(線図の読み取り誤差 比エンタルピー ±1.0 kJ/kg(DA) を反映)

参考書の解答と違うことがある理由: 参考書の略算式 風量 = 顕熱 /(1.01 × 吹出し温度差)では 4,990 kg/h となり、ここの値 4,924 kg/h と 1.4 % 違います。略算式は比熱の近似、ここはエンタルピー差(ASHRAE 式)で解いています。

線図で開くこの問題の点と状態変化を描いた状態で計算ツールが開きます。

6冷房サイクル総合:混合 → コイル → 再熱 → 給気

外気と還気を混ぜて冷却コイルで冷やし、コイル出口の空気を再熱して給気する。給気量、混合点のエンタルピー、冷却コイル熱量、再熱量を求めよ。

条件

外気 OA乾球 33 °C・相対湿度 60 %
室内(還気)RA乾球 26 °C・相対湿度 50 %
外気比率(質量基準)25 %
室内顕熱負荷20 kW
室内潜熱負荷7 kW
吹出し温度差9 K
コイル出口相対湿度90 %

求める値

小数点は点(.)またはコンマ(,)で書き、桁区切りは使わないでください(4924)。

  1. kg/h
  2. kJ/kg(DA)
  3. kW
  4. kW
解説を見る

作図の手順

  1. OA(33 °C、60 %)と RA(26 °C、50 %)をプロットし、SHF = 20 /(20 + 7)= 0.741 の線を RA まで平行移動して引く。
  2. 給気 SA は SHF 線上の乾球 26 − 9 = 17 °C の点(比エンタルピー 40.48 kJ/kg(DA)、絶対湿度 9.23 g/kg(DA))。
  3. 給気量 G = 27 × 3,600 /(52.91 − 40.48)= 7,819 kg/h。
  4. OA と RA を結び、RA から線の長さの 25 % の位置に混合点 MA をとる(乾球 27.8 °C、比エンタルピー 60.23 kJ/kg(DA))。
  5. SA から左へ水平線(絶対湿度 9.23 g/kg(DA))を引き、相対湿度 90 % の曲線との交点がコイル出口 CO(乾球 14.5 °C、比エンタルピー 37.88 kJ/kg(DA))。MA → CO がコイル、CO → SA の水平線が再熱。
  6. 冷却コイル = 7,819 ×(60.23 − 37.88)/ 3,600 = 48.5 kW、再熱 = 7,819 ×(40.48 − 37.88)/ 3,600 = 5.7 kW。

手順の文中の途中値は丸めて書いているため、その数字で計算し直すと末尾の桁が解答値と少し違うことがあります。採点は丸める前の値で行います。

解答値と許容範囲

項目解答値正解とみなす範囲
給気量(質量)7,819 kg/h±1,368 kg/h(線図の読み取り誤差 比エンタルピー ±1.0 kJ/kg(DA) を反映)
混合点 MA の比エンタルピー60.2 kJ/kg(DA)±1.0 kJ/kg(DA)
冷却コイル熱量48.5 kW±12.1 kW(線図の読み取り誤差 比エンタルピー ±1.0 kJ/kg(DA) を反映)
再熱量5.7 kW±1.4 kW(線図の読み取り誤差 比エンタルピー ±1.0 kJ/kg(DA) を反映)

参考書の解答と違うことがある理由: 参考書の略算式 風量 = 顕熱 /(1.01 × 吹出し温度差)では 7,921 kg/h となり、ここの値 7,819 kg/h と 1.3 % 違います。略算式は比熱の近似、ここはエンタルピー差(ASHRAE 式)で解いています。

線図で開くこの問題の点と状態変化を描いた状態で計算ツールが開きます。

7冬の加熱 + 循環水噴霧加湿

混合空気 MA を加熱コイルで温めたあと循環水を噴霧して加湿し、給気 SA にする。加熱後の温度、加熱量、加湿量を求めよ。

条件

加熱コイル入口 MA乾球 10 °C・相対湿度 50 %
給気 SA乾球 27 °C・相対湿度 30 %
風量5,000 kg/h(乾き空気)
加湿方式循環水噴霧(断熱加湿)

求める値

小数点は点(.)またはコンマ(,)で書き、桁区切りは使わないでください(4924)。

  1. °C
  2. kW
  3. kg/h
解説を見る

作図の手順

  1. MA(10 °C、50 %)と SA(27 °C、30 %)をプロットする。
  2. 循環水噴霧は断熱加湿なので湿球温度が一定。SA を通る湿球温度線(15.8 °C)を右下へ引く。
  3. 加熱では絶対湿度が変わらないので、MA から右へ水平線(3.79 g/kg(DA))を引く。この線と SA の湿球温度線の交点が加熱後 HC(乾球 34.0 °C)。
  4. 加熱量 = 5,000 / 3,600 ×(43.91 − 19.61)= 33.7 kW。
  5. 加湿量 = 5,000 ×(6.64 − 3.79)/ 1,000 = 14.2 kg/h。

手順の文中の途中値は丸めて書いているため、その数字で計算し直すと末尾の桁が解答値と少し違うことがあります。採点は丸める前の値で行います。

解答値と許容範囲

項目解答値正解とみなす範囲
加熱後 HC の乾球温度34.0 °C±2.1 °C(線図の読み取り誤差 温度 ±0.5 °C, 絶対湿度 ±0.3 g/kg(DA) を反映)
加熱量33.7 kW±2.8 kW(線図の読み取り誤差 比エンタルピー ±1.0 kJ/kg(DA) を反映)
加湿量14.2 kg/h±3.0 kg/h(線図の読み取り誤差 絶対湿度 ±0.3 g/kg(DA) を反映)

参考書の解答と違うことがある理由: 参考書の略算式 顕熱 = 1.01 × 風量 × 温度差 では 33.6 kW となり、エンタルピー差で計算したここの値 33.7 kW と 0.3 % 違います。略算式は比熱の近似、ここは ASHRAE のエンタルピー式です。

線図で開くこの問題の点と状態変化を描いた状態で計算ツールが開きます。

8バイパスファクター BF と装置露点 ADP

冷却コイル入口 MA と出口 CO の状態が与えられている。コイルの線を延ばして ADP を求め、BF と冷却熱量を求めよ。

条件

入口空気乾球 27 °C・相対湿度 50 %
出口空気乾球 14 °C・相対湿度 88 %
風量8,000 kg/h(乾き空気)

求める値

小数点は点(.)またはコンマ(,)で書き、桁区切りは使わないでください(4924)。

  1. °C
  2.  
  3. kW
解説を見る

作図の手順

  1. コイル入口 MA(27 °C、50 %)と出口 CO(14 °C、88 %)をプロットする。
  2. MA と CO を結ぶ直線を CO の先の左下へ延ばす。飽和線との交点が ADP で、乾球 11.1 °C を読む。
  3. BF =(t_CO − t_ADP)/(t_MA − t_ADP)=(14 − 11.1)/(27 − 11.1)= 0.18。線の長さでは CO~ADP と MA~ADP の比と同じ。
  4. 冷却熱量 = 8,000 / 3,600 ×(55.59 − 36.21)= 43.1 kW。

手順の文中の途中値は丸めて書いているため、その数字で計算し直すと末尾の桁が解答値と少し違うことがあります。採点は丸める前の値で行います。

解答値と許容範囲

項目解答値正解とみなす範囲
装置露点 ADP11.1 °C±0.5 °C
バイパスファクター BF0.18±0.027(線図の読み取り誤差 温度 ±0.5 °C を反映)
冷却熱量43.1 kW±4.4 kW(線図の読み取り誤差 比エンタルピー ±1.0 kJ/kg(DA) を反映)

参考書の解答と違うことがある理由: 参考書の解答は線図の目盛を目で読んだ値なので、末尾の桁が違うことがあります。ここでは ASHRAE 式(Hyland-Wexler の飽和水蒸気圧)で計算しています。

線図で開くこの問題の点と状態変化を描いた状態で計算ツールが開きます。

9冬の加熱 + 蒸気加湿

混合空気 MA を加熱コイルで温めたあと蒸気を吹き込んで加湿し、給気 SA にする。加熱後の温度、加熱量、加湿量を求めよ。

条件

加熱コイル入口 MA乾球 14 °C・相対湿度 40 %
給気 SA乾球 30 °C・相対湿度 28 %
風量6,000 kg/h(乾き空気)
加湿方式蒸気加湿(100 °C 飽和蒸気、エンタルピー 2,676 kJ/kg)

求める値

小数点は点(.)またはコンマ(,)で書き、桁区切りは使わないでください(4924)。

  1. °C
  2. kW
  3. kg/h
解説を見る

作図の手順

  1. MA(14 °C、40 %)と SA(30 °C、28 %)をプロットする。
  2. 蒸気加湿線の傾きは熱水分比 u = Δh / ΔW で、供給蒸気のエンタルピーに等しい(u = 2,676 kJ/kg)。分度器の外側の u 目盛で基準点と 2,676 の目盛を結び、三角定規 2 枚でこの線を SA まで平行移動する。ほぼ垂直で、上へ行くほどごくわずかに右へ傾く。
  3. 加熱では絶対湿度が変わらないので、MA から右へ水平線(3.95 g/kg(DA))を引く。この線と SA を通る u の方向線の交点が加熱後 HC(乾球 29.6 °C)。
  4. 加熱量 = 6,000 / 3,600 ×(39.87 − 24.07)= 26.3 kW。
  5. 加湿量 = 6,000 ×(7.38 − 3.95)/ 1,000 = 20.6 kg/h。
  6. 確認: u = (h_SA − h_HC) / (W_SA − W_HC) = (49.06 − 39.87) / (7.38 − 3.95) × 1,000 = 2,676 kJ/kgで、供給蒸気のエンタルピーと等しい。

手順の文中の途中値は丸めて書いているため、その数字で計算し直すと末尾の桁が解答値と少し違うことがあります。採点は丸める前の値で行います。

解答値と許容範囲

項目解答値正解とみなす範囲
加熱後 HC の乾球温度29.6 °C±0.5 °C
加熱量26.3 kW±3.3 kW(線図の読み取り誤差 比エンタルピー ±1.0 kJ/kg(DA) を反映)
加湿量20.6 kg/h±3.6 kg/h(線図の読み取り誤差 絶対湿度 ±0.3 g/kg(DA) を反映)

参考書の解答と違うことがある理由: 参考書は蒸気加湿を乾球温度が変わらない垂直線(等温)で近似し、加熱後の温度を給気と同じ 30.0 °C、加熱量を 27.0 kW とすることが多いです。ここでは供給蒸気を 100 °C 飽和蒸気(エンタルピー 2,676 kJ/kg)とし、蒸気が持ち込む熱まで入れるので、加湿線が熱水分比 u = 2,676 kJ/kg の方向にわずかに傾き、加熱後の温度は 29.6 °C、加熱量は 26.3 kW です。計算機の暖房 加熱・加湿計算と同じ定義です。

線図で開くこの問題の点と状態変化を描いた状態で計算ツールが開きます。

許容誤差(正解とみなす範囲)

同じ線図でも、目盛の間を読む値は人によって少しずつ違います。正解との差が下の範囲内なら正解とします。境界の値も正解です。

値の種類許容誤差根拠
温度(乾球・露点・ADP)±0.5 °C1 °C 目盛の半分
絶対湿度±0.3 g/kg(DA)1 g/kg 目盛の間を 3 等分して読む程度
比エンタルピー±1.0 kJ/kg(DA)斜めのエンタルピー目盛へ三角定規を移すときの誤差
相対湿度±3 ポイント10 % 間隔の曲線の間を目で分ける誤差
比(SHF・BF)±0.02 · 読み取った値から計算するため、読み取り誤差を伝えた幅が大きければその幅(最大で正解の ±25 %)ADP を 0.5 °C 読み違えると BF が 0.02 前後変わる
熱量(kW)正解の ±3 % · 読み取った値から計算するため、読み取り誤差を伝えた幅が大きければその幅(最大で正解の ±25 %)エンタルピー差の読み取り誤差がそのまま結果に乗る
風量(kg/h・m³/h)正解の ±3 % · 読み取った値から計算するため、読み取り誤差を伝えた幅が大きければその幅(最大で正解の ±25 %)エンタルピー差で割るので熱量と同程度
凝縮水量・加湿量(kg/h)正解の ±5 % · 読み取った値から計算するため、読み取り誤差を伝えた幅が大きければその幅(最大で正解の ±25 %)数 g/kg しかない絶対湿度差を読むため誤差の割合が大きい

よくある質問

線図で読んだ値が解答と少し違うと不正解ですか?

たいていは違います。目盛の間を読む値は人によって少しずつ違います。このページは線図から直接読む値が温度 ±0.5 °C、絶対湿度 ±0.3 g/kg、エンタルピー ±1.0 kJ/kg、相対湿度 ±3 ポイント以内なら正解とします。熱量・風量・凝縮水量のように読んだ値から計算する値は、読み取り誤差が式を通って広がる幅(正解の ±3 % 以上 ±25 % 以下)を問題ごとに計算して使います。実際の試験の採点基準は公開されていないので、作図の手順と式も書いておくと安心です。

参考書の解答とこのページの解答値はなぜ違うのですか?

参考書は線図から目で読んだ値や、顕熱 = 1.01 × 風量 × 温度差 のような略算式を使います。このページは ASHRAE Handbook の式で計算するため、小数の桁が違うことがあります。問題ごとの「参考書の解答と違うことがある理由」に、2 つの方法の差を数値で書いています。

SHF 線は線図でどう引きますか?

線図の縁の SHF 目盛(半円の分度器)で基準点と SHF の値の目盛を結ぶ線を引き、三角定規 2 枚を合わせてその線を室内点まで平行移動します。給気点はこの線上で、吹出し温度差だけ低い乾球温度の点です。問題 5・6 の「線図で開く」で、計算ツールが引いた SHF 線を確認できます。

練習用の白紙の線図はどこで入手できますか?

線図 PDF のページ(https://psychart.kr/ja/download/)で A4・A3 印刷用の線図を無料でダウンロードできます。このページの「問題だけ印刷」を押すと、解説を除いた問題だけが印刷されます。

最終更新 2026-10-18。