ツール

比エンタルピー 計算ツール・絶対湿度の計算

乾球温度と相対湿度(または湿球温度)を入力すると、湿り空気の比エンタルピー、絶対湿度、露点温度をすぐに求めます。湿り空気線図の計算ツールと同じ ASHRAE 2017 の式です。

用語の定義

比エンタルピー h (kJ/kg(DA))
乾き空気 1 kg と、その中の水蒸気が持つ熱量です。0 °C の乾き空気を 0 とするため、非常に冷たい空気では負の値になります。コイル熱量 = 質量流量 × 比エンタルピー差。
絶対湿度 x (g/kg(DA)、kg/kg′)
乾き空気 1 kg に含まれる水蒸気の質量です。空調分野の「絶対湿度」はこの値を指し、気象分野で使う水蒸気密度(g/m³、容積絶対湿度)とは異なります。結果には両方を表示します。
露点温度 (°C)
水蒸気量を変えずに冷やしたとき、結露が始まる温度です。絶対湿度が同じなら、露点温度も同じです。
相対湿度・湿球温度
相対湿度は、同じ温度での飽和水蒸気圧に対する現在の水蒸気圧の割合で、湿球温度は湿らせた布を巻いた温度計が示す温度です。どちらか一方と乾球温度で、状態が決まります。

代表的な条件の比エンタルピー・絶対湿度の表(101.325 kPa)

設計や試験でよく使う条件を、上の計算ツールと同じエンジンで計算した値です。kcal/kg = kJ/kg ÷ 4.1868。

条件乾球 °C相対湿度 %比エンタルピー kJ/kg(DA)比エンタルピー kcal/kg絶対湿度 g/kg(DA)露点 °C湿球 °C
基準例255050.312.029.8813.917.9
夏の室内265052.912.6410.5014.818.7
夏の室内(低め)245047.811.429.3012.917.1
夏の外気(例)326078.418.7218.0323.325.6
夏の外気(試験の例)336082.219.6319.1124.226.4
冷却コイル出口(給気)169041.910.0210.2114.415.0
冬の室内224038.89.276.567.813.9
冬の外気(例)−570−0.7−0.171.73−9.1−6.3
真冬の外気−1070−7.3−1.741.12−14.0−11.0

計算式(ASHRAE Handbook Fundamentals 2017、1章)

比エンタルピー差からコイル熱量を求める

室内 26 °C・50 %(h 52.9 kJ/kg、比容積 0.862 m³/kg)の空気 1,000 m³/h を、16 °C・90 %(h 41.9 kJ/kg)まで冷やす場合、質量流量は 1,000 ÷ 0.862 = 1,160 kg/h、熱量は 1,160 × (52.9 − 41.9) ÷ 3,600 = 3.5 kW です。2つの点と風量を湿り空気線図の計算ツールに入力すると、顕熱と潜熱に分けて表示します。

出典

よくある質問

比エンタルピーの kJ/kg を kcal/kg に換算するには?

kJ/kg の値を 4.1868 で割ると kcal/kg になります。例えば、25 °C・50 % の空気の比エンタルピー 50.3 kJ/kg(DA) は、約 12.0 kcal/kg(DA) です。古い教科書の kcal の値と照合するときに使います。

比エンタルピー差から、コイルの冷却能力を求めるには?

全熱(kW)= 乾き空気の質量流量(kg/s)× (入口の比エンタルピー − 出口の比エンタルピー) です。風量 3,000 m³/h を密度 1.2 kg/m³ で概算すると 1.0 kg/s で、比エンタルピー差が 20 kJ/kg なら約 20 kW です。正確な値は、入口の比容積から乾き空気の質量を求めて計算します。

g/m³ の絶対湿度と g/kg の絶対湿度は同じ値ですか?

いいえ。g/m³ は空気 1 m³ に含まれる水蒸気の質量(水蒸気密度、容積絶対湿度)で、g/kg(DA) は乾き空気 1 kg に含まれる水蒸気の質量です。空調分野で絶対湿度 x と呼ぶのは、後者です。25 °C・50 % では、絶対湿度は 9.88 g/kg(DA)、水蒸気密度は約 11.5 g/m³ です。

最終更新 2026-10-12。