ダクトサイズ 計算ツール
風量と、摩擦損失(等摩擦損失法)・風速・直径のいずれか1つを入力すると、円形ダクトの直径、角ダクトの寸法、風速、動圧をすぐに求めます。式と代入した数値は結果の下の「計算過程」に、定数と出典はこのページ下部の「計算の根拠」にあります。
ダクトサイズ表(風量別、等摩擦損失 1 Pa/m)
上の計算ツールの初期値(摩擦損失 1.0 Pa/m ≈ 0.1 mmAq/m、亜鉛鉄板 ε 0.09 mm、空気 20 °C)で同じ計算をした結果です。円形の直径と風速は摩擦損失がちょうど 1 Pa/m になる値で、規格直径と角ダクトは 50 mm 単位に切り上げた寸法です。
| 風量 m³/h | 風量 CFM | 円形の直径 mm | 風速 m/s | 規格直径 mm | 角 1 : 1, mm | 角 2 : 1, mm | 角 3 : 1, mm |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 500 | 294.3 | 210 | 3.99 | 250 | 200 × 200 | 300 × 150 | 350 × 150 |
| 1,000 | 588.6 | 273 | 4.75 | 300 | 250 × 250 | 400 × 200 | 450 × 150 |
| 2,000 | 1,177 | 354 | 5.65 | 400 | 350 × 350 | 500 × 250 | 600 × 200 |
| 3,000 | 1,766 | 412 | 6.24 | 450 | 400 × 400 | 550 × 300 | 700 × 250 |
| 5,000 | 2,943 | 500 | 7.07 | 550 | 500 × 500 | 700 × 350 | 850 × 300 |
| 7,500 | 4,414 | 583 | 7.81 | 600 | 550 × 550 | 800 × 400 | 1,000 × 350 |
| 10,000 | 5,886 | 650 | 8.37 | 650 | 600 × 600 | 900 × 450 | 1,100 × 400 |
| 15,000 | 8,829 | 758 | 9.24 | 800 | 700 × 700 | 1,000 × 500 | 1,250 × 450 |
| 20,000 | 11,770 | 845 | 9.90 | 850 | 800 × 800 | 1,150 × 600 | 1,400 × 500 |
角ダクトは、同じ風量で同じ摩擦損失になる寸法(Huebscher の円形換算径)で、幅 × 高さ(mm)です。ほかの風量・摩擦損失・アスペクト比は、上の計算ツールに入力してください。
計算の根拠
円形ダクトの摩擦損失は Darcy-Weisbach の式で、摩擦係数は Colebrook の式で求めます。摩擦損失を基準にする場合は、この R が入力値と等しくなる直径を探します。角ダクトは、同じ風量で同じ摩擦損失になる寸法(円形換算径)に換算します。
| 項目 | 式 | 説明・根拠 |
|---|---|---|
| 摩擦損失 (Darcy-Weisbach) | R = Δp/L = (f / D) · ρV²/2 | R は Pa/m、D は m、ρ は kg/m³、V は m/s。ASHRAE「Duct Design」の章の Darcy の式 |
| 摩擦係数 (Colebrook) | 1/√f = −2 log₁₀( ε/(3.7 D) + 2.51/(Re √f) ) | Re ≥ 2300。f が両辺にあるため反復して解きます(Haaland の近似値から開始し、相対変化 10⁻¹² まで)。Re 2300〜4000 の遷移域でもこの式を使い、損失を大きめに見積もります |
| 摩擦係数(層流) | f = 64 / Re | Re < 2300 (Hagen-Poiseuille)。結果には「層流」と表示します |
| レイノルズ数・動圧 | Re = V·D / ν, Pv = ρV²/2 | V = Q / A、A = πD²/4 |
| 空気密度 | ρ = p / (R_da · T) | 乾き空気、p = 101.325 kPa、R_da = 287.042 J/(kg·K)(ASHRAE 2017 1章。当サイトの湿り空気計算と同じ値)。20 °C で 1.204 kg/m³ |
| 粘性係数 (Sutherland) | μ = μ₀ (T/T₀)^1.5 · (T₀ + S)/(T + S), ν = μ/ρ | 空気:μ₀ = 1.716 × 10⁻⁵ Pa·s、T₀ = 273.15 K、S = 110.4 K (White)。20 °C で ν = 1.506 × 10⁻⁵ m²/s となり、一般的な物性表の値(1.51 × 10⁻⁵ 前後)と 1 % 以内で一致 |
| 角ダクトの円形換算径 (Huebscher) | De = 1.30 (a·b)^0.625 / (a + b)^0.25 | 同じ風量・同じ長さで摩擦損失が等しくなる円形ダクトの直径(ASHRAE「Duct Design」の章)。例:400 × 200 mm → 305 mm。角ダクトの実際の風速は Q/(a·b) で別に計算します |
| 標準寸法 | D, a, b → ⌈x / 50⌉ × 50 mm | 円形の直径と角ダクトの2辺を、いずれも 50 mm 単位に切り上げます(一辺を固定した場合は、もう一方の辺のみ)。円形換算径は辺が大きくなると大きくなる一方なので、計算値以上になり、摩擦損失が入力値を超えることはありません。その後、風速と損失を再計算します。実際の規格寸法はメーカーの一覧表で確認してください |
| 角ダクトの範囲 | 1 ≤ a/b ≤ 8, 短辺 ≥ 50 mm | 4 : 1 を超えると警告します(同じ断面積でも周長が長くなり、摩擦損失と材料が増えるため)。8 : 1 を超える場合や、短辺が 50 mm 未満の場合は、この計算ツールでは計算しません |
材質の粗度 ε
ASHRAE Handbook Fundamentals (SI)「Duct Design」の章、表1にある粗度の区分値(Smooth 0.03・Medium smooth 0.05・Average 0.09・Medium rough 0.9・Rough 3.0 mm)です。材質の例は、同じ表でその区分に分類されているものです。同じ材質でも、継ぎ目の間隔や施工状態によって幅が大きいため、別の値を使う場合は「手入力」で入力してください。
| 材質 | ε (mm) | ASHRAE 区分 |
|---|---|---|
| 亜鉛鉄板 | 0.09 | Average(平均) |
| 滑らかな管(引抜管・塩ビ管) | 0.03 | Smooth(滑らか) |
| 市販の鋼管 | 0.05 | Medium smooth(やや滑らか) |
| グラスウールダクト | 0.9 | Medium rough(やや粗い) |
| フレキシブルダクト(伸ばした状態) | 3.0 | Rough(粗い) |
空気の物性(乾き空気、101.325 kPa)
| 温度 °C | 密度 ρ kg/m³ | 粘性係数 μ Pa·s | 動粘性係数 ν m²/s |
|---|---|---|---|
| −20 | 1.3944 | 1.615 × 10⁻⁵ | 1.158 × 10⁻⁵ |
| 0 | 1.2923 | 1.716 × 10⁻⁵ | 1.328 × 10⁻⁵ |
| 20 | 1.2042 | 1.813 × 10⁻⁵ | 1.506 × 10⁻⁵ |
| 40 | 1.1272 | 1.907 × 10⁻⁵ | 1.692 × 10⁻⁵ |
| 60 | 1.0596 | 1.999 × 10⁻⁵ | 1.886 × 10⁻⁵ |
風速と摩擦損失の決め方
ダクトは一般に、風速 15 m/s 以下の低速ダクトと、それより速い高速ダクトに分けて扱われます。この計算ツールは、円形または角ダクトの風速が 15 m/s を超えると警告します。
等摩擦損失法は、主ダクトで決めた単位長さあたりの摩擦損失(よく使われるのは 0.1 mmAq/m、約 1 Pa/m)で、すべての区間の直径を決める方法です。区間ごとに風量だけを変えて入力します。
計算例
風量 10,000 m³/h、摩擦損失 1.0 Pa/m、亜鉛鉄板(ε 0.09 mm)、20 °C の空気の場合:Q = 2.778 m³/s、D = 649.9 mm、V = 8.37 m/s、Re = 361,000、f = 0.0154。50 mm 単位に切り上げて 650 mm。
同じダクトを 2 : 1 の角ダクトにすると、計算値は 853 × 427 mm、2辺を 50 mm 単位に切り上げると 900 × 450 mm(円形換算径 686 mm、実際の風速 6.86 m/s、摩擦損失 0.77 Pa/m)になります。
出典
- ASHRAE Handbook Fundamentals (SI)、「Duct Design」の章:Darcy・Colebrook の式、表1の材質粗度、Huebscher の円形換算径
- Colebrook, C. F. (1939), Turbulent flow in pipes, Journal of the Institution of Civil Engineers 11
- Huebscher, R. G. (1948), Friction equivalents for round, square and rectangular ducts, ASHVE Transactions 54
- Haaland, S. E. (1983), Simple and explicit formulas for the friction factor in turbulent pipe flow, Journal of Fluids Engineering 105(反復計算の初期値・検算)
- White, F. M., Viscous Fluid Flow:空気の Sutherland の式の定数
よくある質問
風量からダクトサイズはどう決めますか?
等摩擦損失法では、主ダクトの単位長さあたりの摩擦損失(よく使われるのは 1 Pa/m、0.1 mmAq/m)を決め、区間ごとの風量から直径を求めます。例えば、10,000 m³/h・1 Pa/m・亜鉛鉄板なら、円形は 650 mm(風速 8.37 m/s)、2 : 1 の角ダクトは 900 × 450 mm です。代表的な風量は上のダクトサイズ表にまとめています。
ダクトの風速の目安は何 m/s ですか?
ダクトは一般に、風速 15 m/s 以下を低速ダクト、それより速いものを高速ダクトと分けて扱い、この計算ツールは円形または角ダクトの風速が 15 m/s を超えると警告します。1 Pa/m の等摩擦損失で設計すると、上の表のとおり、風量 500〜20,000 m³/h で風速は約 4〜10 m/s です。
角ダクトを円形ダクトに換算するには?
同じ風量で同じ摩擦損失になる円形換算径を、Huebscher の式 De = 1.30 (ab)^0.625 / (a + b)^0.25 で求めます。例えば、900 × 450 mm の角ダクトの円形換算径は約 686 mm です。断面積が等しい円形の直径とは異なる値です。
0.1 mmAq/m と 1 Pa/m は同じ値ですか?
ほぼ同じです。0.1 mmAq/m = 0.98 Pa/m、1 Pa/m = 0.102 mmAq/m です。実務では、両者を同じ基準として扱うことが多くあります。
最終更新 2026-10-12。