湿り空気線図 計算ツール・オンライン空気線図

psychart.kr は、空調(HVAC)技術者や工学部の学生のための無料のウェブ湿り空気線図(サイクロメトリックチャート)です。線図をクリックするか、2つの値を入力すると、乾球温度・相対湿度・絶対湿度・比エンタルピー・湿球温度・露点温度・比容積・密度・水蒸気分圧をすぐに計算します。計算は ASHRAE Handbook Fundamentals 2017 の式に基づきます。

湿り空気線図の見方

  1. 横軸は乾球温度(°C)、右側の縦軸は絶対湿度(g/kg(DA))です。点はこの2つの値で決まり、そのほかの物性値は、その点を通る線から読み取ります。
  2. 左下から右上へ曲がる曲線が相対湿度線で、いちばん上の太い線が相対湿度 100 % の飽和線です。露点温度は、点から水平に左へ進んで飽和線と交わる点の温度です。
  3. 左上から右下へ下がる斜めの線が比エンタルピー線(kJ/kg(DA))で、それとほぼ平行な点線が湿球温度線です。急な角度の点線は比容積(m³/kg(DA))です。
  4. 状態変化:加熱・冷却(顕熱のみ)は水平方向、加湿・除湿は垂直方向に動き、冷却コイルによる冷却除湿は左下へ動きます。2つの空気を混ぜた混合点は、2点を結ぶ直線上で風量の比に分けた位置になります。
  5. 顕熱比(SHF)線は、左上の分度器で傾きを決め、室内の状態点を通るように引きます。給気の状態点がこの線上にあれば、室内の顕熱負荷と潜熱負荷の両方を処理できます。
  6. 古い教科書にある kcal/kg や kg/kg′ の単位は、1 kcal/kg = 4.1868 kJ/kg、1 kg/kg′ = 1,000 g/kg(DA) として読み替えます。

6種類の線・状態変化・SHF・作図の手順を詳しく見る

主な物性値の定義

乾球温度(DB、°C)
通常の温度計で測った空気の温度です。線図の横軸にあたります。
湿球温度(WB、°C)
湿らせた布を巻いた温度計が示す温度です。蒸発による冷却の分だけ乾球温度より低くなり、飽和した空気では乾球温度と等しくなります。
露点温度(DP、°C)
水蒸気量を変えずに空気を冷やしたとき、水滴ができ始める温度です。これより冷たい表面には結露が生じます。
相対湿度(RH、%)
その温度で含むことのできる最大の水蒸気量に対する、現在の水蒸気量の割合です(水蒸気分圧ベース)。
絶対湿度(x、g/kg(DA))
乾き空気 1 kg に含まれる水蒸気の質量です。水蒸気量が同じなら、温度が変わっても値は変わりません。
比エンタルピー(h、kJ/kg(DA))
乾き空気 1 kg とその水蒸気が持つ熱量です。コイル熱量 = 質量流量 × 比エンタルピー差。
比容積(v、m³/kg(DA))
乾き空気 1 kg が水蒸気とともに占める体積です。m³/h の風量を質量流量に換算するときに使います。
顕熱比(SHF)
全熱に占める顕熱の割合です。室内負荷の SHF が、給気の状態点が乗るべき線の傾きを決めます。

使い方

  1. 線図をクリックするとその位置に状態点(A, B, C …)ができ、カーソルを合わせるとその位置の物性値がカーソルの横にすぐ表示されます。
  2. 右側の計算パネルで「指定する値」を2つ(例:乾球温度と相対湿度)選んで数値を入力すると、Enter を押さなくても計算され、線図の点がその位置に移動します。
  3. 点はドラッグして動かせます。点の一覧から行ごとに削除でき、Ctrl+Z で元に戻せます。
  4. 2つの点を結ぶ(点のメニューの「ここから線で結ぶ」または Shift+ドラッグ)と状態変化になり、風量を入力すると全熱・顕熱・潜熱の kW と凝縮水量が計算されます。「混合」で2つの空気を混ぜた点も作れます。
  5. 「表をコピー」で結果を Excel に貼り付けたり、「エクスポート」で CSV・画像・印刷(PDF)として保存したりできます。

計算式(ASHRAE 2017、SI)

よくある質問

湿り空気線図(サイクロメトリックチャート)とは何ですか?

湿り空気の状態を1枚のグラフで表したものです。横軸は乾球温度、縦軸は絶対湿度(乾き空気 1 kg に含まれる水蒸気の g 数)で、その上に相対湿度・比エンタルピー・湿球温度・比容積の線が重ねて描かれているため、2つの値がわかればほかの物性値をすべて読み取れます。

空調(HVAC)設計、冷却コイルや加湿器の選定、建物の環境管理、結露の判断などに使われます。

湿り空気線図はどう読みますか?

① 乾球温度は下の横軸から上に伸びる垂直線、② 絶対湿度は右の縦軸から延びる水平線、③ 相対湿度は左下から右上へ曲がる赤茶色の曲線(いちばん外側の太い黒線が 100 % の飽和線)、④ 比エンタルピーは飽和線の外側の目盛から右下へ下がる緑の斜線、⑤ 湿球温度は比エンタルピー線とほぼ平行な青緑の点線、⑥ 比容積は急な角度の灰紫の点線で読みます。

露点温度は、その点から水平に左へ進んで飽和線と交わる点の温度です。このツールでは、カーソルを合わせるとその位置の値がカーソル横のカードにすぐ表示されます。

このツールはどの式を使っていますか? 精度は十分ですか?

ASHRAE Handbook Fundamentals 2017 の1章の式を使っています。飽和水蒸気圧は Hyland-Wexler の式で、湿球温度と露点温度は近似式ではなく反復計算で求めます。

計算エンジンは当サイトで独自に作成したもので、同じ ASHRAE の式を実装した公開ライブラリ PsychroLib の結果と自動テストで比較しています。温度は 0.001 °C 以内、絶対湿度・比エンタルピー・比容積は相対誤差 1e-9 以内で一致します。ただし、湿球温度が 0 °C 付近のごく乾燥した空気では、ASHRAE の式自体にある水と氷の切り替えの影響で、湿球温度がわずかにずれることがあります。

乾球温度 25 °C、相対湿度 50 % の物性値は?

大気圧 101.325 kPa の場合、絶対湿度 9.88 g/kg(DA)、比エンタルピー 50.3 kJ/kg(DA)、湿球温度 17.9 °C、露点温度 13.9 °C、比容積 0.858 m³/kg(DA)、密度 1.177 kg/m³、水蒸気分圧 1,585 Pa です。

どの2つの値で状態点を決められますか?

乾球温度・相対湿度・湿球温度・露点温度・絶対湿度・比エンタルピー・比容積のうち、互いに異なる情報の2つであれば決められます(24通りの組み合わせ)。絶対湿度と露点温度のように同じ情報になる組み合わせや、飽和線より上(相対湿度 100 % 超)になる場合は、理由を表示します。

例:乾球 30 °C、湿球 22 °C なら、相対湿度 50.0 %、露点温度 18.4 °C、絶対湿度 13.30 g/kg(DA) です。

冷却コイルの負荷(kW)と凝縮水量はどう計算しますか?

全熱 = 乾き空気の質量流量 × (出口の比エンタルピー − 入口の比エンタルピー)、顕熱 = 質量流量 × (1.006 + 1.86 × 入口の絶対湿度) × 温度差、潜熱 = 全熱 − 顕熱、凝縮水量 = 質量流量 × 絶対湿度の差 で求めます。

例:33 °C/60 % の空気を 26 °C/50 % まで冷却する場合、乾き空気 3,600 kg/h なら、全熱 29.25 kW、顕熱 7.29 kW、潜熱 21.96 kW、顕熱比 0.25、凝縮水量 31.0 kg/h です。風量が 10,000 m³/h(入口の状態基準)なら、全熱 90.9 kW、凝縮水量 96.4 kg/h になります。

このツールでは、2つの点を線で結んで風量を入力すると、すぐに結果が出ます。

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